千英のひとりごと〜 Chie's words 〜

2013/12/04
 今日の月はきれいだった。例えて言うなら、長い黒髪の見返り
美人。もちろん一重。知的でシャープな三日月。高速にのって、
大阪からの帰り道。ずっと凝視されているような気になった。
冷たすぎず、でも温かすぎず…
2013/12/02
顔見世
 今年も顔見世に行って参りました。紅葉のみごろも過ぎたというのにたくさんの人で賑わっていた京都。
伊勢丹で、井傳の3600円のお弁当を買って、タクシーに乗りこみました。お友達とおしゃべりをしていて、行き先を告げるのをわすれていると、ドライバーさんに「それで?」と何ともいい間で突っ込みをいただきました。
 今回のお目当ては「黒塚」先代の猿之助、今の猿扇さんが月夜に童女にかえってうかれ踊られる場面が脳裏にやきついて、いまでも鮮明に頭にあるんです。今から人間を喰らうことがさもうれしいと、体からにじみでてくるのです。
それをまた確かめてみたくなり、夜の部を選びました。
口上で、気丈にも舞台にでていらっしゃいましたが、ご病気であんな踊りの名人をうしなったことはとても悲しいと思いました。
 顔見世は、冬の風物詩…ですよね。今年もまねきを見ることができて、観劇して、美味しいお弁当を食べながらぺちゃくちゃおしゃべりをして、とても楽しい一日でした。
2013/11/15
伊勢
 伊勢の参集殿で、奉納の舞をさせていただいてからちょうど一週間が経ちました。お天気にも恵まれ、今年になって参拝者数も日々更新しているそうで、その日もたくさんのお参りの方で賑わっていました。  日本には、天照大御神をはじめ八百万の神がいらっしゃって、私も小さい時から神様や仏様がいつも身近にいてくださり、お守りいただいている。自然と手を合わせることを覚え、感謝している。そのようなことを知らず知らずのうちに祖母や母から教わってきたように思います。  当日送り出してくださったたくさんの方の笑顔が、いつもよりも美しく愛に満ちて見えたのも、神様の存在が尊くもあり、また身近にもいらっしゃるからでしょう。  11月8日は私の大好きだった師匠 落語家の桂吉朝さんがお亡くなりになられた日でもありました。  天までとどけ!とご奉仕させていただきましたが、観にきて下さったでしょうか?舞台で「千英さん!」と声をかけて下さっていたことが思い出されます。 天に召されると申しますが、天国では落語の話のように、たくさんの芝居小屋や噺小屋があって、毎日のようにお歴々の豪華メンバーでの歌舞伎や噺が楽しめるのでしょうか・・・?


平成25年11月15日 千英
2013/11/6
式年遷宮
 神様のいたずらかしら?と思われる空模様・・・
ご無沙汰いたしておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
 今年は伊勢神宮・式年遷宮の御年。ありがたいことに、十一月八日私も奉納の舞の末席に加わらせていただくこととなりました。 『遷宮奉祝奉納行事のお知らせ(内宮)』    『皇大神宮イラスト』
二十年前の式年遷宮で、宗家が奉納舞をなさった時は、私はまだ学生。
小旅行気分でのバスツアー、思い出されます。
 その時は、その舞台で自分も舞わせていただけるとは想像もしておりませんでした。今になって思えば、御垣内の参拝など何もかもが特別なこと。ありがたく感謝です。
 我が家の神棚に、ようやく天照大御神におこし頂きました。
少し大きめの棚にかえました。お酒やごはんお塩お水、毎日ご奉仕がこれからもつづきますように・・・?
 また、三月九日「千歳会」フェスティバルホールにおきまして、貴志康一作曲の交響曲「仏陀」に挑戦させていただきます。
あわせてご声援賜りますようお願い申し上げます。


平成25年11月6日 千英
2013/3/24
さくらの会
 雪柳がいっせいに咲きました。
私はこの可憐で清楚でたおやかな花が大好きです。
梅よりも桜よりも、この花を見て、春のあたたかな光を感じることができるのです。
 でもこのたびはー桜ー。『さくらの会』を開催させていただくこととなりました。
夙川にご縁を頂いて三年。昨年は英の会「ゆかた会」を、今春は西宮市の夙川公民館一階のホールで『さくらの会』を開催させていただきます。
地元で愛される志賀山をと願い、心を込めた手作りの会を企画しました。
温かく見守っていただけたらうれしく存じます。
 多数のご来場をお待ち申し上げています。

平成25年 3月24日 千英


「英の会」とは、志賀山千英が伊勢志賀山流を広くしって頂くために、夙川の地で立ち上げた会です。
2011/12/31
大晦日・・・
 今年もあと数時間で年が明けようとしています。
いつもこの時間は一年をふり返って反省の時間、「あの事はなかったことにできないだろうか・・」なんて。
でも今年思い出すのは、東日本大震災のことだけ。
あの日以来、今この時間をいとおしく思える。そんな時間がふえました。
 一月四日には、東京国立劇場・小劇場で開催される「五世宗家披露公演」で、琵琶「壇の浦」を舞わせていただきます。この曲は宗家がずっとあたためてこられた平家物語の一節です。そしてこの会は三月二十一日に開催される予定でしたが、東日本大震災をうけて、延期になったものです。
私はこの舞台に立たせていただけることに感謝し、一瞬一瞬を大切に舞わせていただきたいと思います。
 又、十五日、国立文楽劇場・小ホールでの舞初めには、愛弟子の赤松陽梨が、「羽の禿」を踊ります。二十二日には西宮アミティーホールにて開催させる文化交歓会に弟子と三人で「藤娘」で出演させていただきます。
 来年もご声援よろしくお願い申し上げます。


平成23年12月31日 千英
2010/12/31
大晦日
 皆様お健やかにおすごしのこととお喜び申し上げます。
 美容室で「和楽」を開いてみると、寛仁親王殿下のご息女であらせられる彬子女王殿下が、伊勢神宮(正式は「神宮」)の御神宝の案内役をしておられた。神宮は、平成25年に62回目の式年遷宮の年を迎えるという。と言うことは、あれから18年・・・。61回目の式年遷宮には、ご宗家(当時は家元)が舞踊、長唄 伊勢参宮をご奉納された。奉納の前には伊勢志賀山流一門で、内宮へ参拝させていただいたことを思い出す。その時は、一門の姉妹弟子とともに修学旅行気分で神の御前でウキウキとはしゃいでいたのを思い出し、身のすくむ思いである。
 しかし、八百万の神々の中で最も尊いとされる神様のことである、寛大なお心でお許しくださるかしら、なんて勝手な想像をしながら本を閉じた。
 あと数時間で明けて新しい年を迎える。さてどんな年であろうか・・・楽しみである。

平成22年12月31日 千英
2010/7/7
七夕
   七月七日 七夕

 関西松竹座に、仁左衛門さんがやってくる!今日は、私にとっても久しぶりのおめもじの機会。
さっそく昼夜のチケットをとって、(午前十一時〜午後九時まで!!うれし〜!)やって参りました、松竹座!(余談ながら、久しぶりに心斎橋からぶらりぶらり行こうと地上にあがってびっくり!!ここはどこ??知っている店がない!ない!なくなっている!目を真ん丸くしながら、まるでカルチャーショックにでも陥ったような心地で松竹座にたどり着きました)
 ブーー!はじまりますよ。いよいよお芝居。

 演目は、お昼の部
  1、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
  2、大原女 国入奴 (おはらめ くにいりやっこ)
  3、元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)

   妹背山のお三輪は、孝太郎さん上手でした。特に官女にいじめられるシーンが・・・。
 舞踊の大原女・国入奴は、翫雀さん。かわいかったあ。おかめのお面がなじんでるの!それにしてもいったい何キロの衣装を着けているのだろう・・・。
 昼の部最後は、仁左衛門さんの綱豊卿!ああもうホレボレする!!あのオーラと品のよさはいつ見てもドキドキする。志賀山の家元がよく、これだけは教えられない(品と華)と言いますが、そうですね。そう思います。染五郎さんの助右衛門も人間味あふれていて素敵でした。

 夜の部
  1、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
  2、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)
  3、竜馬がゆく(りょうまがゆく)

 染五郎さんの濡髪長五郎いい!
 弥栄芝居賑では、賑やかな道頓堀を再現していて、とっても華やいだ気分。手拭いを会場に撒いて下さって、ミーハーにも「こっち投げて!!」なんて叫んでいました。でも声は届かなかったみたい。役者の皆さん一人ひとりの口上があり、ファンサービスですね。
 そして、竜馬がゆく。
 間に休憩があったけれど、8時間は観たかしら?心地よい疲労感につつまれて、滝のように降ったらしい雨に流された夜空を眺めながら家路に着きました。
今日は、感謝感謝の一日でした。

しかしながら、また余談ですが・・・染五郎さんは、昼の部から御浜御殿綱豊卿の助右衛門で、顔肌色。
夜の部、双蝶々曲輪日記の濡髪長五郎で白塗りの高頬のほくろに青髭。弥栄芝居賑では若旦那で白塗り。
竜馬がゆくでは肌色。お化粧をとってし直すだけでも、とっても大変そう!!竜馬が最後だから、帰りは楽かな?!

平成22年 7月 7日 千英
2010/1/20
新春
 皆様には、つつがなく新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 今年の我が家は、伊勢参りからはじまりました。
昔の人は一生に一度は伊勢へお参りしたいものと、憧れに似た深い信仰を集めた伊勢も、今や神戸から車で3時間もあればつき、ありがたいやら、ありがたい?かな。
 人々の考えはたいてい同じことのようで、伊勢につくと人人ひとの人だかり。本殿の石段から何十メートルもの行列ができ、警備の方の「お参りするまでに2時間かかります。」とのアナウンスにはくらくらする思いだったが、なにせ3時間も(!)かけて来たのだからと行列の最後尾にくっついた。
思ったよりも早く、1時間ほどで本殿へたどりついた。 子供達に「神様にはね、何かお願い事をしてはいけないのよ。いつもありがとうございますと言いなさいね。」と教えておきながら、私は心の中で「心願成就」これって一番よくばりな願い事(!?)とにもかくにも私の一年はスタートしたのでありました。

平成22年1月20日 千英


平成22年2月28日に国立文楽劇場大ホールにて「名流花の会舞踊公演」が開催され、「清元:梅の春」を舞わせていただきます。詳しくは「イベント情報をご覧ください。
2009/12/7
私が舞を舞ふ時
 私が舞を舞ふ時、私の大好きな日本画の巨匠「上村松園」先生の絵を思いうかべ、あのような姿になりたいと思うことはしばしばである。 近頃その松園先生の「青眉抄」と言う本に出会い、先生の書かれる本とは、どのようなものだろうと心うきうきする思いで読みはじめた。すると、なんと現実的でまっすぐでご自分に厳しい方であろうか。そして、本の中で先生が、文明開化に浮かれ、思い思いにオシャレを楽しむ女性たちを危惧しておられ、パーマネントなどは、雀の巣みたいな頭で信じられんというような一節をみて私は思わずふきだしてしまった。 先生が今生きておられたら、卒倒しておられるかしら? でも、この先生があのたおやかで可憐で凛とした数々の女性を描かれているのだなと思い、ますます大好きになってしまった。
ご宗家にもその姿をみる。品格があり、可憐で何か力を感じる。私はたまに踊りはイヤになるが、きっといつまでもその姿を追い求めていることだろう。
今回、舞初めでは長唄「道成寺」を舞わせていただきます。 私事ながら、愛弟子の赤松陽梨が、初舞台「菊づくし」をつとめさせていただきます。皆様の温かいご声援をよろしくお願いいたします。

平成21年12月7日 千英
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